中小企業診断士試験とは
中小企業診断士試験とは、中小企業の経営課題を解決する専門家「中小企業診断士」になるための国家資格試験です。
一次試験では経済学・会計・経営理論など7科目の知識を筆記で問われ、二次試験は企業事例をもとにした筆記および口述試験が行われます。
令和7年度は合格証書の電子化や受験票発送方法など、運営面でも最新の変更があります。
特徴
中小企業診断士試験の特徴は、一次試験と二次試験の2段階形式で実施されることです。
一次試験は7科目のマークシート式、二次試験は4科目の記述式と口述面接で実践力が問われます。
合格基準は各科目40点以上かつ全体の60％以上と厳しく、一次試験は科目ごとに2年間有効な「科目合格制度」があり、働きながら無理のないペースで合格を目指せるのも大きな特徴です。
試験内容
中小企業診断士試験は「一次試験」と「二次試験」に分かれています。
一次試験は、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目からなり、マークシート方式で広範な知識が問われます。
二次試験は、組織（人事）、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計の4事例について記述式で行われ、筆記試験合格後には口述試験（面接）も実施されます。
合格には知識だけでなく、論理的な読解力や実践的な助言能力も求められるのが特徴です。
勉強時間
中小企業診断士試験に合格するための勉強時間は、平均して1,000〜1,200時間が目安とされています。
1年で合格を目指す場合、1日約3時間、または週に20時間程度の学習が必要です。一次試験には700〜1,000時間、二次試験には200〜400時間程度が標準的です。
難易度・合格率
中小企業診断士試験の難易度は非常に高く、全体の合格率は毎年約5〜8％にとどまっています。
一次試験の合格率は23〜43％、二次試験は18〜19％程度で、両方をストレートで突破する人はごく少数です。
士業資格の中でも合格率の低さから難関資格とされており、継続的な学習と計画的な対策が必要です。
取得のメリット
中小企業診断士の資格取得のメリットは以下の通りです。
まず、経営に関する体系的な知識が身につき、経営の診断や改善ができるようになります。また、国家資格であるため社内外から高い信頼を得られ、転職や独立開業で有利です。
さらに、社外の人脈を築けることや会社員でも収入アップが期待できる点も大きなメリットです。
これらの特長により、キャリアの幅が広がり将来の選択肢が増えることも魅力となっています。
受験料
中小企業診断士試験の受験料は、一次試験が14,500円、二次試験が17,800円です。
なお、一次試験の受験料にはオンライン決済事務手数料525円が別途かかります。
受験資格の制限はなく、誰でも申し込めます。
おすすめな人
中小企業診断士は、論理的思考力とコミュニケーション能力、継続的な学習意欲を持つ人に特に向いています。経営全般に関心があり、人と対話しながら課題を発見・解決したい人、転職・昇進・独立など明確な目的意識を持っている人におすすめです。
また、問題解決能力や多面的な視点を活かして企業の経営を支援したい人にも適しています。
逆に、人と関わることが苦手だったり、継続的な学習が難しい人は向いていない場合があります。
気をつけるべきポイント
中小企業診断士試験では、一次と二次ともに「各科目で40点未満は即不合格」「合計点で60％以上必要」といった厳格な合格基準があるため、全科目をバランスよく学ぶことがとても重要です。
特に二次試験は与件文の読解力や論理的な記述力が重視され、知識だけでは高得点が取りにくいケーススタディ形式となっています。
また、二次筆記合格後の口述試験も100%ではないため、余裕を持ったスケジュールで計画的な受験・学習が必要です。
中小企業診断士資格は、経営の専門知識を体系的に学び、中小企業の経営課題を解決できる国家資格です。試験は難しいですが、合格すればキャリアアップや独立開業、社外での信頼獲得など多彩なメリットがあります。
勉強の労力は大きいものの、その分得られる知識やスキルは今後のビジネス人生で大きな財産となります。
