CMA資格とは
CMA（日本証券アナリスト協会認定アナリスト）とは、公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定する金融・投資分野の専門資格です。所定の講座を受講し、一次・二次試験の両方に合格し、3年以上の実務経験を持つことで取得できます。
CMAでは、企業財務、証券分析、ファイナンス理論、経済や資本市場の仕組みなどを体系的に学び、投資価値の評価・予測を行う高度な分析力を身につけます。
取得者は証券会社に限らず、事業会社やコンサルティング業界など幅広い分野で活躍しています。
特徴
CMA資格の特徴は、日本証券アナリスト協会が認定する金融・投資の専門資格であることです。所定の教育講座受講と試験合格、実務経験の要件を満たすことで取得できます。
資格で学べる内容は、企業財務、証券分析、ポートフォリオマネジメント、経済・市場分析、数量分析、職業倫理など多岐にわたります。取得者は証券会社だけでなく、事業会社やコンサルタント、法律関係者など幅広い分野で活躍し、企業価値評価や投資戦略策定に強みを持ちます。
科目合格制で働きながら段階的に資格取得が可能な点も特徴的です。
試験内容
CMA資格の試験は第1次試験（1次レベル）と第2次試験（2次レベル）に分かれています。
第1次試験は3科目で構成され、科目Ⅰは証券分析とポートフォリオ・マネジメント（試験時間170分）、科目Ⅱは財務分析とコーポレート・ファイナンス（100分）、科目Ⅲは市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準（90分）が含まれます。試験は選択肢形式を中心に計算問題や穴埋め問題が出題されます。
第1次試験合格後に第2次試験を受験でき、第2次試験は高度な知識と実務応用力、職業倫理の習得度が問われ、記述式応用問題も含まれます。
試験は年数回実施され、国内外に複数の試験会場があります。
勉強時間
CMA資格の勉強時間の目安は、第1次試験と第2次試験を合わせて約200時間程度です。
第1次試験の合格者の約半数が200時間以内に合格しており、実際には平日1～2時間、週末に5時間程度の学習で3～5か月間かけて計画的に勉強を進めるケースが多いです。
初学者や専門知識が少ない場合には、さらに時間がかかることもありますが、独学でも予備校を活用しても学習可能です。学習ポイントを理解することで文系でも合格が目指せます。
難易度・合格率
CMA資格の難易度は中上級レベルであり、第1次試験の合格率は概ね48〜55％、第2次試験の合格率は約44〜55％で推移しています。
第1次試験は約半数が合格する一方、第2次試験はより専門性が求められ合格率がやや低く、これらの試験を通過した最終的な合格率は約25％程度とされています。
難易度は簿記2級より少し高い程度で、公認会計士試験などよりは易しいとされますが、質の高い知識と実務応用力が要求されます。
取得のメリット
CMA資格取得のメリットは主に次の3点にまとめられます。
まず、金融や投資分野での専門的な知識と分析力が身につき、企業価値の評価や投資判断のスキルが向上します。
次に、金融機関や事業会社など幅広い分野で活躍でき、キャリアアップや転職に有利になることです。
最後に、理論だけでなく実務に即したカリキュラムにより、現場で即戦力として使える実務能力が高まるため、自分のビジネスの可能性を広げることができます。
学生や社会人にとって大きなアドバンテージとなる資格です。
受験料
CMA資格の受験料は、2025年時点で以下のとおりです。
第1次レベル講座の受講料は一般受講者が66,000円、会員受講者は60,000円です。第1次試験の科目ごとの受験料は科目Ⅰが7,000円＋手数料200円、科目Ⅱ・科目Ⅲがそれぞれ3,500円＋手数料200円となっています。
第2次レベル講座の受講料は63,000円、第2次試験の受験料は16,500円＋手数料200円です。
入会金は10,000円、年会費は18,000円で、65歳以上は12,000円となっています。受験料は科目単位で支払う仕組みで、一旦支払った受験料や手数料は返金されません。
おすすめな人
CMA資格は、金融業界で専門的な知識を身につけ、投資分析や企業価値評価に高いスキルを求める人におすすめです。特に金融機関で働く方、証券会社のアナリストや資産運用の専門家、ファイナンシャルプランナーや独立系アドバイザーに有効です。
また、経営層や自社株・ストックオプションのリスク管理に関わる人、長期投資家で市場変動に対応した資産配分を考える方にも適しています。
論理的な投資判断を重視し、実務で活かしたい人に最適な資格です。
気をつけるべきポイント
CMA資格取得で気をつけるポイントは、まず試験が第1次レベルと第2次レベルに分かれており、両方クリアしないと資格取得できないことです。
また、講座受講が必須なため、テキストを確実に理解し計画的に学習を進める必要があります。
さらに、試験は3年の受験期限があり、期限内に合格できなければ再受講・再申し込みが必要です。
実務経験も3年以上求められ、試験合格後に実務経験が不足している場合は取得が遅れます。
計画的な勉強と実務経験の積み重ねが重要です。
